人権講演会

午後からは人権講演会がありました。玉城きちはるさんを招待して

玉城ちはるさんは、24歳で中国人留学生の支援を始め、「ホストマザー」として10年間で36名の留学生をサポートしました。この活動が認められ、2014年に「若者力大賞」を受賞。現在は「命の参観日」という講演を全国の小中学校・高校・大学で行い、口コミで広がり2022年に100回を突破、現在は140校以上で講演されています。また、広島出身のため平和活動にも尽力し、2009年に「一般社団法人EACH」を設立、平和イベントを行っています。

玉城さんは,生徒たちに問いかけながら考えを深めさせてくれていました。異文化理解について,玉城さんから生徒へ問いかけがありました。生徒は,「食べ物」や「言葉」,「服装」などと答えていました。「同じ日本語ならコミュニケーションとれますか?」,「喧嘩したことありますか?」などの質問に,生徒たちは「めっちゃ喧嘩してる!」と元気いっぱいに答えていました。

言語化について

中国人留学生を受け入れたとき,玉城さんの食べ物をいつも残したそうです。そこで玉城さん怒ったそうです。「僕の民族ではおもてなしの物を食べ残すんだ,ママ」。玉城さんは自分自身の価値観で人を攻めた自分に気づいたそうです。ある台湾人の子どもは「お誕生日会をしたくない,祝ってくれない人がいるなら意味がない」と言うので,祝えない子どもに聞くと「僕は本当のお父さんもお母さんも誕生日も知らない。だから祝えない」。玉城さんは,また自分の価値観で考えていたと気づいたそうです。外国の子どもを受け入れたときより,日本の子どもを受け入れたとき「なんで日本人なのにわかってくれないの?」との言葉があったそうです。玉城さんのコミュニケーションでうまくいかないことがある?という問いかけに,生徒たちは自分事として真剣に聞いていました。言語化してちゃんと伝えようという言葉。だからって,話し合いをしていると大変です。

「優しさちょきんゲーム」 ①「握手しながら」 ②お互いの直してほしいところと,良いところを言う ③「ありがとう,ごめんね,だいすき」と言う。

K先生:時々連絡を忘れるところ,一生懸命で生徒に向き合っているところ

I先生:いつも土日まで仕事してるところ,(悩んで)いつもフォローしてくれるところ

生徒たちは大盛りあがりです! 玉城さんは,生徒たちにも周りの生徒と優しさ貯金ゲームをするように促し,とてもあたたかな空間ができあがっていました。

自ら動き出す力について

 自分から動き出す力をつけてほしい。玉城さんはお父さんを早く亡くすことになりました。学校にはなかなか通えず,保健室に通ったり,不登校になってしまったりしていたそうです。今,36人のお母さんになって,考えがぜんぜん違うようになったそうです。今は,理不尽をがあっても,誰かが助けてくれると思えるようになったそうです。それは,自分からこのような活動をしたことで自分を信用できるようになり,だから,周りのひとも信じることができるようになったそうです。そして,自分が好きになり,自分を愛せるようになり,周りの人を愛せるようになったそうです。今は,たくさんの人に愛されているそうです。

今はもし,自分から誰かを助けたときにうまくいかなかったとしても,誰かを助けようとしたことは誇らしいと思えるとおっしゃっていました。

相談力(セルフメンタルケア)について

相談力について,いろいろな人に話を聞いてもらう力が大切という話がありました。一人で抱え込まないで,相談する。カウンセリングに関わる資格を持っている玉城さんは,スクールカウンセラーに頼ることをためらわないでほしいそうです。解決しようとして自ら動き出したことを大切にしてほしいそうです。

生徒会長からお礼の花束がありました。

きれいな歌声を聞きながら,人権や多様性の事を考えるすてきな時間になりました。本当にありがとうございました。